見知らぬ人々が自宅へ押し寄せる胸糞100%映画【マザー!】

見知らぬ人が、訪ねてきて自宅を好き放題されたらどうしますか?

※ネタバレなしなのでストーリーの本筋や考察は抜きで、個人的な感想を書いていきます。

映画概要

  • 2017年公開
  • 制作国:アメリカ
  • 監督:ダーレン・アロノフスキー
  • キャスト:ジャニファー・ローレンス、ハビエル・バルデム

郊外で穏やかな暮らしを送っていた夫婦の家に、謎の男が訪ねてきた。妻はその男に不信感を抱いていたが、夫は快く迎え入れた。その日から、夫婦の家には代わる代わる訪問者がやってくるようになった。「このままでは何か良からぬことが起こる」という妻の訴えを真剣に取り上げようとしない夫だったが、彼女の不安はやがて現実のものとなった。

ウィキペディアより引用

賛否両論、好みが二分する

第74回ベネチア国際映画祭のコンペディション部門での上映時には、喝采とブーイングが巻き起こった問題作。公開初週末に観客の感想を集計するシネマスコア社の調べで、最低評価「F」を獲得。アメリカのメディアではホラーだと聞いて見に行った観客が騙されたように感じたからではないかと分析も出ました。

この映画は「怖い」というより、「不快」になる映画です。倫理的にアウトな表現もあり、よくこのシーンを入れたなと、大胆と思うか、頭がおかしいと思うかは見る人にもよります。

監督は、賛否両論について、「ローラーコースターみたいな映画だから、勇気がある人だけ乗ってくれれば」とコメント。クライマックスの展開は、とてもスピーディーで畳み掛けるように描かれていきます。何が起こっているのかついていくのがやっと。予備知識なしで鑑賞した筆者は、映画が終了した後は「一体なんだったんだ…」と疲労困憊状態でした。

日本公開中止、この映画で学ぶこと

配給元のパラマウント・ピクチャーズの意向により、日本公開が中止された理由として、暴力的なシーンや残忍な表現に対して映倫団体の圧力があったからでは?という意見があるようです。

一つ一つのシーンを表面的に見れば、気分が悪くなる表現はあるものの、現実に起こっている人間同士の宗教観の争いや人間の弱さ故の愚かさを、その界隈から外れた主人公という第三者の視点から描いている社会的な映画だと感じました。

また、監督は「気候変動と環境破壊における人類の功罪」をテーマに映画を制作したそう。「“母なる自然”の視点を教える映画を作りたかった。母なる地球の愛と贈り物、そして人間がどれだけ彼女に痛みを与えているかを示す映画を。」とインタビューに答えています。

近年になって、日本でも様々な企業がサスティナブルな活動が増えてきましたが、この映画で描かれる環境問題について、個人的にできることや意識して生活できることを改めて考えさせられる内容でした。

最後に

この映画で描かれる様々な“不可解な事柄”を「何の予備知識も無く見てほしい」と監督はコメントしていることから、ネタバレや考察は抜きで紹介しました。この映画を鑑賞後に考察サイトを見るのがオススメです。